シミとひとくちにいっても、実はたくさんの種類があるのをご存知でしょうか?
シミが気になるからとりあえずなんとかしなきゃ!と、なんとなく対策をしても全く効果が現れないとしたら、それはそのシミに対して効果的な対策でないことが考えられます。
しみは種類によってできる原因や特徴、必要な対策も違います。ここではシミの種類別にできてしまう主な原因、そして予防や改善方法について解説しています。
炎症性色素沈着
炎症性色素沈着は、顔にできた吹き出物やニキビ、また、虫刺されなど、お肌の内側で炎症が起こることが原因となり、お肌に色素沈着が起こってしまう症状です。
蚊に刺されたところがかゆくて掻きむしったためにそこから血が出てかさぶたになり、そのかさぶたを剥がすとシミになっていた…などという話も聞いたことがあります。
これらが要因となってできたシミは色素沈着を起こし、後に茶色く色付いてしまうのです。しかし、ニキビや吹き出物が正常に治療され、炎症を抑えることができると、正常なお肌のターンオーバーにより新しい細胞ができ、お肌はきれいに生まれ変わります。
しかし、ターンオーバーが乱れるとメラニン色素が排出されずにその場にとどまり、色素沈着を起こしてしまうのです。
炎症性色素沈着にはどんな特徴があるの?
炎症性色素沈着は、お肌を外的刺激から守ろうとしてメラニン色素を過剰に生成させてしまうことで起こる色素沈着となります。
・ニキビや吹き出物、虫刺され跡が残る
・顔だけではなく背中など身体にも色素沈着を起こす
・比較的濃いシミになりやすく大きさも原因による
このように炎症性色素沈着は広範囲にニキビができたり、虫刺されを掻きむしることでお肌に摩擦が起こり、よりメラニン生成を促進させてしまうため色素沈着の範囲が広くなりやすく、また、シミになる色も濃くなる傾向にあります。
炎症性色素沈着の予防法&対処法は?
炎症性色素沈着が起こるのは、ニキビや吹き出物ができるなど、お肌の炎症が原因となります。ニキビや吹き出物は自然治癒すると思って放置しがちですが、そのままだと引っ掻いてしまう、また、潰してしまうなど、後に跡となって残る可能性があるため、早々に皮膚科を受診されることをおすすめします。
このようにすでにできてしまったニキビや吹き出物を引っ掻くことでさらに炎症が起こり、色素沈着が悪化してしまいます。ニキビや吹き出物を単なるお肌の炎症だと捉えず、日常生活で浴びる紫外線により、より一層お肌に炎症を来してしまうため、このような肌状態となった場合はしっかりと紫外線対策を行うようにしましょう。
老人性色素班
老人性色素班は、紫外線を浴びたことによって肌表面に現れる一般的なシミです。多くの方は加齢に伴いできたシミだと勘違いされる方も多いです。
しかし、これは過剰に紫外線を浴びたことや、お肌のターンオーバーが正常に行われなくなったこと、日頃からお肌の適切なケアを行っていなかったことが起因することが分かっています。
紫外線をどれほどの量浴びてしまったかによってシミの量やその濃さも人それぞれ異なってくると言えるでしょう。
老人性色素班にはどんな特徴があるの?
・明らかにシミと分かるほど境界線がくっきり分かれている
・薄茶色から茶色のシミであり、加齢とともによりシミが濃くなる
・頬骨やこめかみに現れることの多いシミ
・大きいシミとなると1cmほどになる
・20代の若者でも症状が現れる
この老人性色素班は主に紫外線をたくさん浴びやすい部位に出る傾向にあるため、顔の中でも特に凹凸となる頬骨あたりに目立つ方が多いです。
老人性色素班の予防法&対処法は?
老人性色素班はある程度の年齢になると顕著に肌表面に姿を現します。
20代で出現するという方はまだ少ないですが、40代ともなれば、どれほどの量の紫外線を浴びた生活を送っていたかが分かるほど、老人性色素班が肌表面に広がります。
この老人性色素班を予防するにはとにかく普段から日焼け止めを使用し、きちんと紫外線対策を行っておくことが大切です。
紫外線対策として、UV-AもUV-Bも予防することができる日焼け止めを使用するようにしましょう。もちろん、日常生活において使用する美白化粧品も欠かせません。シミを作ってしまう前から使用を継続されることをおすすめします。
このように、美白化粧品と日焼け止めを効果的に使用することで、老人性色素班の予防効果を高めることができます。
脂漏性角化症
脂漏性角化症はお肌が老化することで肌表面にできるイボのような良性腫瘍で、加齢とともにできやすい傾向にあります。普通のシミのように見えますが、日を追うごとに少しずつ大きくなっていくのが特徴です。
この脂漏性角化症は良性腫瘍ですが後に肌表面にイボのように盛り上がってきます。稀に悪性腫瘍である可能性もあるため、イボのようなものが肌表面に現れた場合はその経過を観察するとともに医療機関を受診するようにしましょう。
脂漏性角化症の特徴とは?
・40代に多くみられる
・頬骨やこめかみ付近にできやすい
・表面がザラつき、大きさもまちまち
・茶色で肌表面から盛り上がっている
このように脂漏性角化症はまるでほくろを思わせるだけで、まさか良性腫瘍(稀に悪性腫瘍)であるとは気づきにくいため、自身の肌状態を常に気にかけておくようにしてください。
脂漏性角化症の予防法&対策法は?
脂漏性角化症が疑われた場合は、まず自然治癒することはなく、加えてセルフケアにおいて改善できる可能性はありません。そのため、万一あなたの肌表面にそのような症状が現れた場合は、早急に医療機関を受診するようにしましょう。
効果的な予防法としては、紫外線からお肌を守ること、また、お肌のターンオーバーが正常に保たれるよう、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。
肝斑
女性にとって30代~50代くらいの間は最も女性ホルモンのバランスが乱れる傾向にあり、その要因によって「肝斑」と呼ばれるシミが肌表面に現れることがあります。
この肝斑の主な原因として考えられることは妊娠や出産、生理不順などの際に服用するピルの影響、また、50代になって起こり得る更年期障害がそれに該当します。
実にこの肝斑ができる原因は女性ホルモンに起因しているため、閉経を迎える女性は少しずつ肝斑の色が薄くなる方もいるようです。そして、この肝斑は閉経後に肌表面に現れてくることはないと言われています。
とは言え、肝斑の部分は通常の肌色よりも濃い茶色であることが多く、その状態で肌を露出することでより紫外線を集めてしまい、色が濃くなる傾向にあります。
また、肝斑を隠したいためにメイクの際に「コンシーラー」や「ファンデーションの重ねづけ」など、あらゆる方法を実践されたこともあると思いますが、これらの方法はいずれもお肌に摩擦を起こすだけであることから現在よりもさらに症状が悪化すると言えるでしょう。
肝斑にはどんな特徴があるの?
・左右対称に顔などにシミとなって現れる
・頬骨にできやすい
・シミは広範囲に及び、境界線はぼんやりとした感じがする
・シミの色は薄い場合と濃い場合とあり、前者の場合はくすみに感じる
・口元に肝斑ができてしまうこともある
このように、肝斑は、女性ホルモンに深く関わっており、閉経後には症状が落ち着いてくることも多いようです。しかし、シミとなるほど広範囲に及ぶ摩擦によってより一層肝斑の症状が悪化することも考えられるため注意が必要です。
肝斑の予防法&対処法は?
肝斑は女性ホルモンが深く関係していることは分かりました。女性は妊娠や出産を繰り返すため、女性ホルモンがシミにも大きな影響があると考えられているのです。
そのため、紫外線からお肌を守ろうと必死にメイクを行っても、摩擦により症状が悪化し、結果、より肝斑を作ってしまう結果となってしまうでしょう。そのためにも、最も手軽に行うことができる予防法としては、紫外線対策を行うことが大切です。
最近の美容医療においては、肝斑に対して効果を発揮する美白化粧品が販売されています。そこには必ず「トラネキサム酸」が含まれているため、これが肝斑に固化的であるため、このトラネキサム酸が配合されている化粧品を使用するようにしましょう。
そばかす
そばかすは多くの女性の間でもよくご存知な症状だと思います。そばかすは顔全体にポツポツ薄い、たまに濃い小さなシミができます。
このそばかすは実は後天的に肌表面に現れるシミではなく、遺伝的要素が強いと言われているため、4?6歳の子供の頃から症状が現れることがほとんどです。そしてそばかすは年齢を重ねるにつて増えていくため、そこに紫外線を浴びることでよりそばかるが濃くなります。
なお、女性ホルモンのバランスが崩れている時など特にそばかすの色が濃く変化することもあるようです。
そばかすの特徴は?
・肌の色が白い欧米人に多くみられる
・子供の頃から遺伝的に出やすくなる
・鼻を中心に顔全体に目立つ
・手の甲や身体にもシミができやすい
このように、そばかすは紫外線の影響を受けやすく、消えない傾向にあります。
そばかすの予防法&対処法は?
そばかすはどうにか予防しようとあらゆる手段を講じても、結局は遺伝的要素が強いため、何をしてもまたすぐに肌表面に現れてきます。また、先ほどもお伝えしている通り、そばかすは紫外線を浴びることで濃くなってしまうため、普段から外出時に捉われることなく紫外線対策を怠ることのないようにしましょう。
最近では子供でも紫外線対策を施しておかなければ、将来シミとなって肌表面に現れる可能性があるため、今のうちからしっかりと紫外線対策を行うことが大切です。
光線性花弁状色素班
光線性花弁状色素班は、あなた自身に自覚症状があるくらい、長期間において紫外線を浴び続けたことが原因となって肌表面に現れるシミです。この強い紫外線は、例えば海水浴へ行った際に日焼けをし、その日焼けが水膨れを伴うような焼け方を何度も繰り返した場合に肌表面にシミができます。
光線性花弁状色素斑の特徴とは?
光線性花弁状色素班は、強い紫外線を浴びた方にその症状が発症し、それ以外の方にこのような症状は起こらないと言えるでしょう。しかし、以下のような方は光線性花弁状色素班が肌表面に現れる可能性があります。
・白人など欧米人に多く、日焼けの後肌が赤くなる方
・花びらのようなシミができる
・紫外線を浴びやすい顔、デコルテ、また、肩など露出する部分にできやすい
このように光線性花弁状色素班は日焼け後に水膨れになりやすい方は特に注意してください。
光線性花弁状色素斑の予防法&対策法は?
光線性花弁状色素班ができる原因として考えられることは「紫外線」です。そのためこの光線性花弁状色素班ができないようにするためには、紫外線を浴びないよう、毎日適切なケアを行うことが大切です。
これまで何度も水膨れが生じるほどの皮膚状態を繰り返してきた方は特に光線性花弁状色素班が出てくるだけではなく、実は皮膚がんに罹患する可能性も高くなります。
また、光線性花弁状色素班が肌表面に現れた場合は、どれだけ高級な美白化粧品を使用しても、まずシミを薄くすることはできません。この場合は、美容皮膚科や美容外科クリニックなどで行うレーザー治療を受ける必要があります。
しかしこの光線性花弁状色素班は比較的広範囲に現れるシミであるため、何度もレーザー治療に通う必要があります。今後シミの原因を作ってしまわないよう、日焼け対策として、季節問わず毎日日焼け止めを使用するようにしましょう。
遅発性両側性太田母斑
遅発性両側性太田母斑は、真皮層の奥深くにまでメラニン色素が蓄積されているシミを指しています。この遅発性両側性太田母斑はシミの症状に似たアザです。
遅発性両側性太田母斑の特徴は?
遅発性両側性太田母斑は、メラノサイトでメラニンが過剰生成されできるアザです。
・頬骨や目のまわりにできやすい傾向にある
・茶褐色や灰色、青系の色をしたシミ
・生まれつきその特徴を持っており生後1年ほどで肌表面に現れることもある
このように、顔に肌色ではない別の色のアザのようなシミのようなものが現れた場合は遅発性両側性太田母斑であると言えるでしょう。
遅発性両側性太田母斑の予防法&対処法は?
残念ながら、遅発性両側性太田母斑は適切な予防法がありません。そのため美白化粧品を使用したところでその効果を実感することもありません。
あらゆる手段を試してみても一向に症状が改善されないという場合は遅発性両側性太田母斑である可能性があり、その場合はレーザー治療が必要となります。
あとがき
シミの種類とその原因、予防法や対処法についてご紹介してきました。
シミの根本的な原因は紫外線であることが分かっていますが、その他に遺伝的要素も考えられます。まずは自分のシミの種類を知ることで行うべき対処法もわかってきますので、シミが気になるときは闇雲にケアをする前に一度そのシミの種類を確認してみましょう!
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